“楽しむことが一番”の落とし穴──プロに必要な本当の楽しさとは


現場で選手と向き合う中で、「楽しんでいけばいい」「競技を楽しんでいれば強くなる」そんな言葉をよく耳にします。
間違いではないのですが、その言葉が一人歩きしていると感じます。

そこで、スポーツにおける“楽しさとは何か”を整理するシリーズ記事にしました。

第二回は、【“楽しむことが一番”という言葉の落とし穴と、プロに必要な本当の楽しさ】について整理します。


「楽しむことが一番大事!」

スポーツの現場でよく聞く言葉ですよね。

間違いではありません。
でも、定義が曖昧なまま使われると、選手の成長を止めることがあります。

特にプロの世界では、“楽しいだけ”では通用しません。
常に”結果”に対する責任がつきまとっています。


目次

楽しさには2種類ある

まず”楽しい”の定義は下記の二つに整理できます。

① 気分がいい楽しさ
ワクワクする、ストレスが少ない、ポジティブな感情。

② 挑戦の楽しさ
負荷があり、簡単ではない。でも、できなかったことができるようになる過程が面白い。

プロに必要なのは②の楽しさです。

例えば、イチローさんはこれまでの発言の中で、「同じ動作を繰り返し わずかなズレを修正し続けること」の重要性を語っています。

彼が言う「野球は楽しい」は、単に気分がいいという意味ではなくて、”改善を積み重ねる過程”そのものを面白がっている、と言えるのではないでしょうか。

職人の楽しさのようなイメージです。


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楽しさの8つの誤解

① 楽しむ=ラクを選ぶこと、ではない

「楽しくやりたい」と言いながら、きついメニューを避けたり、得意な練習ばかり選んでいませんか?
ラクを選ぶことと、楽しむことは違います。

心技体どれにおいても、成長には必ず負荷が必要です。
その過程は決して”楽しい”ばかりではありません。

それでも挑戦を続けて“きつさの中の面白さ”を感じられるかどうか、だと思います。

もりかおり

苦手な練習を避けて得意な練習ばかりしていれば、
気分はいいけど成長は止まります。

② 楽しむ=プレッシャーがないこと、ではない

「プレッシャーなくやれたら楽しいのに」

しかし、プロの世界は厳しさでいっぱいです。
観客、スポンサー、チーム、契約など責任が伴います。

本当に強い選手は、プレッシャーを消したり無視せずに「味方」にすると言っています。
責任を引き受けた”楽しさ”は 本番で踏ん張れます。

もりかおり

試合前にプレッシャーを“考えないようにする”ほど、
スタート直前に不安が一気に押し寄せます。

③ 楽しむ=結果は二の次、ではない

「結果より楽しむことが大事」

育成年代(小学生~20歳ころ)では意味のある言葉です。
しかしプロは結果責任の世界なので、この言葉を慎重に扱わないといけません。

結果を取りに行く姿勢があってこそプロ。

結果を見ずに「楽しめているから大丈夫」と考えているとしたら自分への言い訳です。
本当の楽しさは、“結果を取りに行くプロセス”ではないでしょうか?

もりかおり

パフォーマンスが落ちているのに「感覚は悪くない」と
数字や結果から目をそらしていませんか?

④ 楽しくやれているからOK、ではない

「楽しくやれています」
私がコーチングしている複数の選手からも 言われたことが何度もあります。

でも、その中で変化は起きていますか?
楽しさは、改善とセットでなければ続きません。

冒頭の「楽しさの定義」は①、②のどちらでしょうか?
②の楽しさを本当に感じられているなら、その「楽しくやれている」は正解なのでしょう。

もりかおり

あなたの言う「楽しくやれている」は、
「楽しさの定義」の②ですか?

⑤ 楽しめている=メンタルが強い、ではない

しんどい日、やりたくない日、結果が出ない日・・・
こんな日はやっていても楽しくないですよね?

「強さ」とはしんどい日もやる選択ができるかどうかです。
やりたくない日でも自分に負けずに動いていますか?

もりかおり

連敗中やベンチでも、
いつも通りの練習・トレーニングを淡々とこなしていますか?

⑥ 楽しさ=感情、ではない

「今日は楽しくない」
気分には波がありますよね。
でも、楽しさは感情だけではありません。

楽しさは物事に取り組む“姿勢”しだいです。
・自分で選んで挑む
・逃げずに向き合う

気分が揺れていても”姿勢”は自分で作れますよね。

もりかおり

気分が乗らない日でも、
今日のテーマを一つ決めて練習に入ってみよう

⑦ 楽しくない=向いていない、ではない

「最近、楽しくない」

そう考えた瞬間に「自分には向いていない」と判断していませんか?

上達前は面白くないし、楽しくないですよね。
だけどその競技を始めた頃の「できた時」を思い出してみてください。
”もっとやりたい”と夕暮れまで練習しませんでしたか?

早い段階で見切ると、“面白くなる手前”でやめることになります。

もりかおり

フォーム修正中は打球が飛ばずに苦しい。
でも修正がハマった瞬間に世界が変わる、と自分を信じよう。

⑧ 楽しむ=笑顔、ではない

楽しんでいる人は、笑っているしキラキラしている。
そう思い込んでいませんか?

真剣な表情で黙々と取り組んでいたり、言葉は少ないし笑顔も少ない。
こんな選手が実はほんとうの意味で「楽しんでいる」のかもしれませんね。

もりかおり

競技に没頭している選手は、
必ずしも笑顔ではありませんよね


まとめ

「楽しむことが一番」という言葉は、間違いではありません。
ただし、結果が求められる世界では“気分がいいこと”を指しているのではありません。

プロにとっての楽しさとは、責任と結果から目を逸らさず 成長を選び続ける姿勢です。

競技に向き合い続けた先にある感覚を、”楽しさ”と呼ぶのだと思います。


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