相撲部屋の閉鎖…に思うこと
メンタルコーチング 2020年07月12日
Last Updated on 2020-07-26 by kaorinco19
香川県高松市
スポーツメンタルコーチ もり か緒里のプロフィールはこちら

師匠の暴力・暴言によるパワハラが明らかになって部屋の閉鎖…。
(https://news.yahoo.co.jp/articles/70c02d2c46a02b66978d43f6edd1e80cc7499f87)
この報道だけでは真実はわかりかねますが…。
また不祥事…。また暴力…。協会では暴力撲滅にかなり力を入れているのに。
所属力士は一門(簡単にいうと親戚のような)の部屋へ移籍、引退される力士もいるそうです。
好きなものを奪った責任は大きい
誰であっても、人の好きなもの、大事にしているものを奪う権利はありません。
たとえ良かれと思って、所属力士を強くしたい…という思いがあってもです。
次女(現 中2)の友達でバレーボールをスポ小からやっていて、部活のチームメイトからのいじめで辞めたそうです。とても好きで頑張っていたバレーボール。
今では、ボールを見るのも嫌、と言うほどになってしまいました。。。
とても憤りを感じます。
弟子の人生にも大きな傷跡
こんな問題が起きなければ
兄弟子、弟弟子、同期と好きな相撲に集中できていた。
部屋の移籍で余計な心労もなかった。
日常的な暴力・暴言が行われていたそうです。
稽古の度にそのようなことがあれば、心が折れたという力士もいたと思う。
部屋を移籍しても相撲を続けられる力士以上に、引退という決断をした力士の人生を変えてしまったと言っても過言ではないのではないでしょうか。
暴言の中でも、人格を否定するような暴言もあったと報道されています。
人災と言える今回の事件
暴力による指導がいろいろなところで問題視され、厳しい処分もくだされています。
相撲協会内でもコンプライアンス教育が行われています。
それにも関わらずの今回の事件。
間違いなく人災です。
なぜ暴力・暴言を?
「指導に熱が入るうちに暴力・暴言となってしまった」と言うところでしょう。
それだけでは済まされないこと。
何人に体と心の傷を与え、人生に影響を与え、心配をさせたのか、事後となった いま、重く向き合ってほしいです。
力士、後援者、ファン、相撲協会、力士のご家族…。
『なぜ暴力・暴言がダメなのか、根本的に理解できていないのではないのか?』
大相撲界で暴力事件が頻発していてコンプライアンス教育も実施されていての今回の事件。
あるSNSにパワハラ防止講習に参加した方からの投稿でこんなのがありました。
その方が講師に「なぜパワハラ講習が必要なのか」と質問した際、
講師の方は「こんな世の中ですからね」と答えたそうです。
講師でさえ、この低い認識。
「世論があるからパワハラをしてはいけない」と勘違いしているようですね。
『なぜ暴力・暴言がダメなのか、根本的に理解できていないのではないのか?』
ここから指導者に教育しないと理解できない、ということだと思います。
暴力や暴言によって支配することは間違っているのです。
また、自分が暴力による指導で強くなってきた、という人もいるかも知れません。
自分が強くなってきたのはあの指導のおかげ、自分が耐えてこれたのだから弟子も耐えられるはず。という思い込みはないでしょうか?
叱ること、恐怖で支配する指導法よりも、褒める指導法にシフトしたほうが効果が上がります。
(叱るより褒めるに…の記事)
そして未来へ…
間違った指導で傷つく力士(選手たちも)がなくなるように、指導者教育を徹底しなければいけないと感じました。
指導者自身の資質、というのもあるのかもしれません。
(指導者の器じゃない…。人間形成の問題など)
指導者の免許制、定期的な監査なども有効かもしれません。
相撲界では一度部屋を持つと、ずっとその部屋の親方(師匠)だし、一度部屋に入門すると自分からは部屋の変更(移籍)はできない決まりのようです。
大きな組織では簡単ではないかもしれませんが、ひとり一人の認識が変われば組織のあり方も変わると思っています。
小さなチーム・小さな道場では暴力による指導を続ければ、間違いなく淘汰されていくでしょう。
実際、私の娘が過去に通った●●道場も暴力による指導でした。
子どもたちは楽しく稽古するよりも、泣きながら親にやらされている感が強く、黒帯になれば辞める子がほとんどでした…。
そういう私も今は偉そうにこう語っていますが、会社員時代には後輩の指導にとても悩みました。
私の発言がキツイ・パワハラだ、と言われたこともあります。
自分に自覚がなくても、受け取る側にはそう受け取れたのでしょう。
その経験からも、言葉や態度にはより一層気をつけるようになりました。
そして、心理学・メンタルのことを学んで、自分自身をコントロールする術も身に付けられたと思っています。
お読みいただいてありがとうございます。
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